村上龍 "愛と幻想のファシズム"

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

"コインロッカー・ベイビーズ" を再読して、これもと思って読んだ。以前読んだのと逆の順で読んだことになる。
で、そのせいなのだろうけど、ずいぶん印象がちがったような感じ。龍は 私が書きたかったのは、ある種の「閉塞感」である とあとがきに書いてるけど、それとハンター、ファシズムという材料の間に大きなズレがあるような。"コインロッカー・ベイビーズ" にはそんなズレはなかった。"コインロッカー・ベイビーズ" と比べて全然すっきりしないラストはこのせいだろう。
もうひとつつけくわえれば、フルーツよりアネモネのほうが良い (^^; フルーツはセクシーだけど、小説で彼女を追いかけていても元気が出ないし。