The universal library becomes one very, very, very large single text: the world's only book ("『グーグルが本の電子化で狙う「うまみ」の正体は』に応える① - bookscanner記")

このあたりのエントリを読んで、書籍の電子化のことを、検索できるようになるから便利でいいよな程度にしか考えていなかった自分のあさはかさを思い知った。
"『グーグルが本の電子化で狙う「うまみ」の正体は』に応える① - bookscanner記" において、まず、ウェブがスゴイのは ものすごい数のWebページどうしがリンクでつながってる からなのだと、"Scan This Book!" からの引用を借りていわれる。

There are about 100 billion Web pages, and each page holds, on average, 10 links. That's a trillion electrified connections coursing through the Web. This tangle of relationships is precisely what gives the Web its immense force.

ああ、それがハイパーテクストというものだ、ウェブの基本構成言語である HTML は HyperText Markup Language の略だ、と思ったりするのだけど、電子化された書籍が集合として同様のものになるというところで目からウロコが落ちた。

When books are digitized, reading becomes a community activity. Bookmarks can be shared with fellow readers. Marginalia can be broadcast. Bibliographies swapped. You might get an alert that your friend Carl has annotated a favorite book of yours. A moment later, his links are yours. In a curious way, the universal library becomes one very, very, very large single text: the world's only book.

電子化された書籍は、それに人が関わっていく中で無数につながりあい、やがてそれはひとつのとてもとてもとても大きなテクスト (one very, very, very large single text) になる。それはこの世界の ("この世界" ではない) ただひとつの本 (the world's only book) だ、と。
また、"本を読むと眠くなる理由 - bookscanner記" では、書籍の電子化というのはその引用情報なども含むのだとあり、たんなる平文テクスト化かと、およそ想像力に欠ける考えかたをしていた自分のバカさ加減にあきれた。つまりは、書籍の電子化はそれだけで書籍をハイパーテクスト化するということだ。これは、上述の、それを読む人々が作るリンクに比べれば希薄なものだろうけど、著者が作ったものであり、その重要度はいうまでもなし。
なんだかめまいがするような話だけど、いざその時代が来たときにはそれがふつうなのだろう。5 年前から見た現在がそうであるように。