Ian Murdock: GoogleOS なんてありえない

Debian GNU/Linux の創設者で、今は Free Standards Group の CTO と、そこの LSB ワークグループの議長を務めているらしい Ian Murdock (Wikipedia) が、"うわさの尽きないGoogleOS:結局のところ何が出てくる? - CNET Japan" という記事の続編、"http://www.readwriteweb.com/archives/googleos_linus_torvalds.php" (簡易 Linux ディストリビューションになるのではないかといってるみたい) に対する反論を自身のブログに書いている。
短いエントリだし、クリエイティブ・コモンズでライセンスされていることもあり、てきとうに訳しておいてみる。

Emre Sokullu がまた仮想上の "GoogleOS" について書いている。長らく OS に関わってきたひとりとして、まずいわせてほしい。これはまったくもって完全に意味がない。ひとつには、Google はすでに "OS" をもっているということ。ウェブがそれだ。そして Google はウェブを制覇している。なのに、いったいどうして主な競合相手の土俵に上がって、彼らに明白な優位を与えなければならないというのか。さらには、Googleもはや従来的な意味におけるオフィス・スイートを必要としていないのと同様、従来的な意味における OS も必要としていない。新たな Linux ディストリビューションをリリースすることは破壊的 (disruptive*1 ) ではないのだ。OS とはなにかを再定義することこそが破壊的なのである。そして、Google はすでにそれを行っている。きっと当たるだろう 2007 年ふたつの予言: ひとつめ。これが GoogleOS を推測する最後ではないだろう。そしてふたつめ。GoogleOS などというものが現れることはないだろう。

*1:これは disruptive innovation = 破壊的イノベーション というように使われる形容詞だ。